直近４回のニュースで　日本の英語の教え方、学習のさせ方は　次の５つの分野全てで　致命的な欠陥があり　それが　日本人ほぼ全員が英語難民のままになっている原因である　ということを指摘してきました。
そして　英語を教える側も　ほとんどの方が　自分が教える分野の欠陥に全く気がついていないのです。
だから　英語を教える側は　英語難民解消など全く気にも止めないで　非効率的な英語教育、学習を継続しているのです。
本当にNHKのチコちゃんじゃありませんが　「ボケっと生きてんじゃねーよ！」」なのです。
（１）小学校終了までの英語教育（小学校でのALTの授業を含む）
（２）一番集中して　長時間かつ長期間　学習する中学、高校での英語教育
（３）英会話学校（ネイティブの直接指導も含めて）
（４）英検等の資格試験
（５）ホームステイ、語学留学、海外留学

そして　前回は（５）の　問題点について詳細に指摘しました。
即ち　雪だるまは　芯（英語をかなりの程度　頭の中で英作文して口に出して言えるようにようになっていること）ができていないと　ネイティブと長い間いても　決して　雪だるま（ネイティブと継続的に意思疎通ができるようになること、即ち　英語難民を解消すること）にはならないことを指摘しました。
即ち　芯ができてからでないと　留学等で　ネイティブと長い間一緒にいても　無駄になってしまうのです。
そして　ここでの問題もまた　そのことを　ホームステイや留学をアレンジする方々が分かっていないことです。
ほんとうにチコちゃんじゃありませんが　「ボケっと生きてんじゃねーよ！」です。

本題に戻ります。
今回は　（４）英検等の英語の資格試験の問題点をお話しします。

ここでの問題点も　他の分野での問題点とよく似ています。
例えば　２級に合格すれば　2級なりの英語力（訳す力＝読解力）がつき、2級なりの会話力もつくと受験生にも　社会にも思わせていますが　実情は大違いで　全くそうなっていないということです。
そして　ここでもまた　英検等の資格試験を行っている団体のみならず、　資格試験の結果を　入学や　入社のの合否の判定の参考としている大学や会社も　そのことを全く認識していないということです。
具体的には
(i)
英検は　4択問題で　7割足らずの正解で合格できるため　先に説明した活用力でいうと　活用力-3（訳せる）にも達しない英語力（活用力－２程度）で　合格できてしまいます。
それはそれで目出度いのでしょうが、　活用力-2程度の英語力では　読解力さえ　あまりついていません
し、その程度の英語力は直ぐに消滅していきます。

(ii)
また　合格するために　音読や反英訳訓練をする必要もないので　ネイティブと継続的に意思疎通ができるために必要な　言いたいことを頭の中で英作文して口に出して言う英語力もはつきません。
ですから、英語を使う力（以前に解説した活用力、即ち英語難民解消の英語力）もついていません。

(iii)
小学生に　英検４級以下のような易しい級を取らせる学習方法が　色々なところで　盛んになされていますが、　ごく一部の特別優秀な生徒さんを除けば　小学生には　まだ読み書きといった記憶手段を含めて英語を学習する能力はできていません。　
またその優秀な生徒さんも　中学の教科書のような文法、文型、表現方法別にステップを踏んで体系的学習していく方法を取らなければ　積みあがってきません。　

ですから　ほとんどが　読み書きを伴って学習させても　結局は口真似を手段として覚えていくことになり、記憶としては直ぐに消失してしまいます。　
即ち　ほとんどの生徒さんには無駄になってしまいます。。
　
(iv)
高校、大学入学の際の英語力の評価方法として　英検の（3級から2級程度の）合否を利用している高校、大学があるためか　中学、高校生は頻繫に受験していますが、上記(i)の理由で　賢明な評価方法とは
思えません。
しかも　中学の英語教科書や　高校のEnglish Expression　の教科書は文法、文型、表現方法等を体系的に学習でき　それに沿って　英語の活用力を上げていこうとすれば　極めて効率的に習得していけるのに対して（残念ながら　今のところは日本中が　活用力など気がついてもおらず　眼中にないようですが）英検では　そのような学習はできません。

でも　英語の活用力を高めれば、即ち

中学3年の英語教科書を対訳から元の英文を言う反英訳訓練をすれば　大抵のことを頭の中で英作文して口に出して言えるようになり　ネイティブと継続的に　ほぼ対等に　意思疎通ができるようになります。

高校のEnglish　Expressionの例文の大半を日本語文から言う反英訳訓練をすればネイティブの知識人と議論で渡り合うことも可能です。

以上からほぼ全員英語難民の日本人を救済できる方法として残ったのは　（２）の中学、高校での英語教育　のみとなりました。

次回からは　（２）の中学、高校の英語教育を　どう改革すれば　日本人の英語難民問題解消できるかを、詳細に話していきたいと思います。