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下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り

小岩 いなか 池波和彦のまいぷれ江戸川区・魅惑の下町酒場#19

令和4年創業の新進気鋭の居酒屋

JR総武線小岩駅から徒歩約8分、西小岩公園近くにある居酒屋(いなか)に入り、カウンターに腰を下ろした。
酒は「天狗舞」「越乃影虎」などの他、あまり有名ではない「越後桜」「百十郎」もある。
品書にはチコ鯛、ユメカサゴ、カジカ、カマス、黒メバルなど、居酒屋ではお目にかかれない魚が数多く登場する。
挨拶代わりの「お刺身3点盛」は380円という破格値。
この日はニザダイ、タカノハダイ、イシダイが登場し、サービスの1点としてマダイが添えられた。
煮魚も380~580円と、とにかく安い。
無論、価格だけではない。
料理はすべて手作りしており、刺身だってピチピチの新鮮。
何より醤油は自家製土佐醤油。
驚くほどの価格を実現できるのは、店主の経営努力の賜。
自慢の魚は定置網に入る珍しい魚【売れない魚】で、普通は海上で投棄される。
そんな珍しい魚だけを新鮮なまま伊東から直送しているのだという。
雑魚に滋味あり。

派手な本マグロやマダイばかりが刺身ではないですぞ。

 

雑魚の魅力は全て天然だ。

発色剤や抗生物質を餌に混ぜる養殖はないということ。

雑魚はうまい!

不味いから雑魚なわけではないのだ。

定置網に一定の量が入らず、まぎれて入る数少ない魚のため商品価値がないだけで、味はとてもおいしい白身魚ばかり。

網に入る多くの深海魚などの雑魚は海上で投棄されたり、そのまま廃棄される。
そんな魚たちが消費されるようになれば、漁業者たちのモチベーションが上がり、後継者が生まれ、未来が明るくなる。
海も元気になる。
そのためには、雑魚を知ってもらって、食べてもらうことが大事だ。
食べてみた雑魚は、想像していた味わいとは、ずいぶんと違っていた。
臭みがなく、うま味も豊かで、思わぬおいしさを秘めていた。
この店には楽しい宝箱が伊東から届く。
ぎっしり身を寄せ合う雑魚たちは目がぱっちり可愛らしいものもいれば、ちょっと近寄りがたいものもいる。
近寄りがたい姿をしているのは、おいしさを秘めているからだ。
定置網は仕掛けたら選ばずに魚が入る。
掛かった命を奪っているわけで、それを消費されずに死んでいく命に申し訳ない。
おいしい未利用魚を格安で味わえるこの店の食材は天然ばかり、間違いのないものを食べている圧倒的な幸福感に満たされる。

↑静岡県伊東から直送の刺身3種盛380円。珍しい魚が味わえる

↑その日の白身で作るナメロウは380円という破格値

↑土瓶蒸し380円。この値段で松茸は使えないが、舞茸の土瓶蒸しもうまい

↑小岩の酒飲みはここに集まれ!コストパフォーマンスは極めて優良

 

店名いなか
住所東京都江戸川区西小岩4-12-1 信田ビル 1F
営業時間17:00~23:00
定休日

不定休

連絡先03-6684-3964
関連サイトなし
取材日2022年

 

◆この記事を書いたひと

酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦

 

東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。

 

ブログ「日本の酒場をゆく」↓

https://ameblo.jp/m458itmasa/

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。