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居酒屋の枠を超えたガチの職人魂に圧倒! まいぷれ編集部が見た、極上の一皿を『カジュアルに、ラフに楽しむ』ための真剣な舞台裏
こんにちは!まいぷれ編集部です。
今回は本八幡駅北口の「つちよし」さんへの潜入取材第2弾!
前回の新メニュー試食会に続き、今回は「お店を丸1日お休みにした、鰻の仕込み日」に密着させていただきました。
「最近、ありがたいことに鰻の出がすごく良くて、営業中の仕込みじゃ追いつかなくなっちゃって」と語る店主。居酒屋という枠にとらわれない、職人の裏舞台をレポートします。
前回の記事はこちら!
初夏の心地よい風が吹く時期、つちよしは静かにシャッターを下ろしていました。
定休日ではなく、これからの繁忙期に向けた「鰻の仕込み」とするためです。
つちよしでは、鰻を食事の〆や、お酒のおつまみとしてみんなでシェアするお客様が増えているとのこと。
多くの居酒屋や量販店では、業者が捌いたものや冷凍の既製品を仕入れるのが一般的。つちよしは「自分たちで食材と向き合って仕込むからこそ、鮮度と美味さが劇的に変わる」という信念のもと、職人たちが朝から腕を振るっていました。
関東風の「背開き」をすることで、蒸す工程のメリットを最大限活かす
仕込みは、生きている鰻を厨房で締めることから始まります。
鰻の血には「魚類血清毒」があり、死んだ状態で仕入れると体内に血が滞留して腐りが早くなり、生臭さの原因になってしまうとのこと。生きた状態から一気に完璧な血抜きを行うことが、臭みのない綺麗な味にするための絶対条件となっています。
さらに、捌き方にはつちよしの歴史とこだわりが詰まっています。店主のお父さんの代から受け継がれているのは、関東伝統の「背開き」です。
歴史の踏襲だけではなく、「背開き」には調理上の大きなメリットがあります。
背中から開くと身の形がすり鉢状(腹側が下)になるため、焼いている時に水分や嫌な脂が下側に溜まりやすくなります。
先人たちは、この溜まった余分なものを落としつつ身を柔らかくするために、後に続く「蒸す」という工程を考案しました。
つまり、つちよしが誇る「ふっくらとした食感」を引き出すためには、この背開きこそが最も相性が良いのです。
骨に沿って美しく包丁を滑らせ、小骨を綺麗に取り除く手元の技術は、まさに職人技。
鰻の「ハラミ」も料理として使用しています
ミリ単位の串打ち
続いて行われるのが、職人の技術が最も試される「串打ち」の作業です。
仕上がりの美しさと食感を極限まで高めるための、緻密な3つのこだわりが隠されていました。
複数人前をまとめて長い金串で刺し、焼き上げてから切り分けるお店も多いですが、つちよしではあらかじめ1人前ずつ綺麗に整形してから串を打ちます。そのため、扱いが繊細な「竹串」をあえて選択しているのが特徴です。
串を打つ際、もし皮と身の間に刺してしまうと、後の「蒸し」の工程で身が柔らかくなった際に、身と皮が剥がれやすくなってしまいます。
また、刺す深さが少しでも上下にずれると、火の近い方ばかりがよく焼けてしまい、焼き上がりに大きな差が出てしまいます。正確に身の中心を狙って真っ直ぐに刺す、手元の技術が求められます。
鰻の尻尾の方は、焼くと身が縮みやすいという生き物ならではの特性があります。
そのため、尻尾の方に打つ最後の串は少し開いて刺す工夫を加えています。
部位ごとに打ち方を変えることで、焼き上がった時に全体がまっすぐ美しい直線になるよう計算されているのです。
鰻の状態によって、串を打つ位置や強さも変わってきます
仕込みは怒涛の約6時間!
捌いた鰻の生臭さを取り除くため、つちよしでは熱湯を使った「湯霜」を行っています。川魚特有の嫌な臭いは表面の「ぬめり」から来るため、多くのお店では裏返しにして包丁の背でしごくだけですが、つちよしでは熱湯を豪快にかけます。
お湯をかけることでぬめりのところだけを白く凝固させ、そこを一気に磨き落とすことで、鰻独特の生臭さが消え、焼き上がりの香ばしさが全く別物になります。
加熱は一瞬。すぐに冷水で冷やします
一つずつぬめりを落としていきます
左が湯霜前、右が湯霜後
串が打たれた鰻は、いよいよ備長炭の火にかけられます。
なるべく早く一気に焼き上げることで、中の水分を閉じ込め、ふっくらジューシーに仕上げるのがつちよし流。
そのために重要なのが炭の配置です。
詰めすぎると酸素が行き届かず火力が落ちてしまうので、空気の通り道となる絶妙な隙間をあける職人技が光ります。
炭火の配置もコツがいります
身の縮み方も細かく確認
鰻を何度もくぐらせるとタレの中に深い旨味が出る反面、それが同時に「アク」にもなります。
そのため、定期的にタレを火にかけてしっかり煮立たせ、浮き出てきたアクを綺麗にすくい取る「掃除」を行います。この清掃を丁寧に行うことで、何年経っても腐らずに旨味だけが凝縮していく極上のタレが維持されているのです。
つちよしで扱っているのは、主に「愛知県三河一色産 幻のめすうなぎ 艶鰻(えんまん)」です。
じっくりと時間をかけて育てられたこの国産鰻は、非常に柔らかく上質な脂と深い旨味のバランスが抜群。毎日鰻に触れ続けているつちよしの社員は、包丁を入れたり、串を刺したりした瞬間の手応えだけで、その産地や状態がはっきりと分かると言います。
生き物だからこそ日によって鰻の状態が変わりますが、つちよしではチームプレイでその個体差に対応しています。
「今日の鰻は少し身が硬いから、蒸し時間を少し伸ばそう」と、捌いた感覚を基に炭火焼き。蒸す工程では約14~15分の蒸し時間を微調整。
蒸すことで身がふっくらと柔らかくなり、川魚独特の癖も取り除けます。
一方で、アクも旨味の重要な要素であるため「抜きすぎない」という、職人ならではの繊細な塩梅が共有されています。
こうしたプロの技術を習得する道のりについて、店主から「実家が鰻を養殖していたので、練習用に『上がりの(お客さんには出せない)鰻』を使って感覚を掴むところから始めました」と教えてくれました。
脂が乗って刃が進みやすい中国産で扱いを覚え、最後に身がギュッと強張る繊細な国産へとステップアップしていったとのこと。
段階を踏んで五感を研ぎ澄ましていくことで、一生モノの確かな技術が身についていきます。
現代はボタン一つで済む自動調理器具も増えていますが、店主の「だからこそ、目の前で魚や鰻をパッと捌ける人間の技術をしっかりお客様に見せていく。そこに僕たちの存在価値がある」という言葉には、安易に機械に頼らない、職人としての誇りとこだわりが滲んでいました。
「うなぎ専門店に行けば、それだけで敷居が高く、お財布にも気合が必要。でも、つちよしが目指すのは最高品質の国産鰻を、居酒屋ならではのラフさで楽しんでもらうこと」と店主が語りました。
つちよしでは一番安いもので3,000円弱から手軽に国産の鰻を味わうことができます。
「焼き鳥を食べながら、お刺身を味わいながら、その横で本格的な鰻が食えるのがうちの良さ。本当に美味しい日本酒もあるから、お酒のつまみとして鰻の白焼きをつまんで、最後にハーフサイズのご飯で締める。なんて贅沢な使い方もできます。居酒屋としてラフに使って、本物の味に触れてもらえるお店でありたい」と熱く語ってくれました。
専門店に負けないクオリティを、どこまでもカジュアルに。
この絶妙な住み分けとお店の敷居の低さこそが、つちよしさんが多くの「お酒とグルメ好き」に愛される最大の理由です。
仕込みの取材を終えて、まいぷれ編集部が感じたのは、「当たり前のことを、ただひたすらに、どこまでも楽しそうにやり切っている」ということです。
その誠実な手仕事が、つちよしの唯一無二の魅力を作っています。
職人がチームワークを大事にしながら作る、自慢の鰻。ぜひ、カジュアルに味わってみてください!
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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