下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
レトロでディープな下町酒場
総武線沿線の平井駅は、隣の亀戸や新小岩と比べると、やや地味なイメージ。
昭和初期には花街で賑わう時代もあったが、今は下町のまったりした雰囲気に包まれ、路地裏に飲み屋が点々とあるのみだ。
そんな平井駅から歩くこと約3分、平井駅通りから入った花街の面影を残す路地裏に(酒楽)がある。
屋号の赤提灯が掲げられるだけの外観は、新参者を寄せ付けない、ミステリアスで趣き深い風情を漂わせている。
腹をくくって暖簾をくぐると、そこには時計の針を巻き戻したかのような昭和の香り漂うレトロな空間が広がっている。
年季の入ったカウンター、古い居酒屋特有の、すすけていながらどこか凛とした雰囲気に心なごむ。
昭和の居酒屋らしく、料理も「さば塩やき」「ホッケ干物」「なす炒めしょうゆ味」「なすピリ辛炒め」など、昔ながらの肴がズラリ。
品書きに「たらちり」がある。
居酒屋の鍋は簡単な、あくまで品書きの中の一つでいい。
いつものように一品とり、鍋もちょっとつつくかという程度。
さっと食べ終え「おう、かたづけてくれ、それと酒もう一本、干物もな」。
これが酒飲みの粋、鍋を大げさな主役になんかしないのだ。
鱈と豆腐はよくなじみ、鱈は魚の臭みがなく、切身に残した黒い皮から出る旨みが豆腐をうまくする。
特別な料理や酒が用意されるわけでもないが、こういう居酒屋には特別なものなんて何も必要じゃないのだ。
★メニュー「値段は訪問時。現在とは誤差があるかもしれないので参考までに」★
ほうれん草ごま合え350円
ベーコンエッグ400円
とり手羽うま煮400円
なべ焼きうどん500円
焼酎各種300円
ビール「大ビン」700円
↑居酒屋の小鍋は大げさでないのが魅力
↑シンプルなお通しがこの店らしい
↑高齢の女将がひとりで営むレトロな空間
↑昭和30年代の雰囲気で酒が飲める
店名 | 酒楽 |
住所 | 東京都江戸川区平井3-25-8 |
営業時間 | 17:00~23:00 |
定休日 | 日曜 |
連絡先 | 03-3684-1979 |
関連サイト | なし |
取材日 | 2023年 |
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規8000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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