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下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り

小岩 けやき 池波和彦のまいぷれ江戸川区・魅惑の下町酒場#21

品数豊富なラインナップが魅力

JR総武線小岩駅から歩くこと約2分、JR線の高架下の小岩中央通り沿いにある(けやき)に、昼間から次々と客が入ってゆく。
目当ては本日おすすめの品書きホワイトボード。
ほとんどの人は一度に三品は注文し、それからゆっくりビールや酒を頼む。
私も出遅れてはならじ。
ねぎぬた、サザエ刺身と進み、何気なく頼んだ〆の本日の握り寿司「6カン」に、この店の丁寧な仕事をまざまざと見た。
みなすばらしくおいしい。
居酒屋料理を基調にしながら、何でも作るのではなく、研究追求し尽くした完成の品だけを出しているようだ。
従業員は客の相手をするのではなく、食堂のように料理に専念し、それがかえって清々しい。
奥の小上がりでは上着を脱いだ男たちがいかにも安心している。
カウンターのおしゃれな熟年男性一人客は常連のようだ。
この店には、今は数少なくなった昔ながらの大衆割烹の魅力がある。

 

ある年齢に達すると、仕事を終え、あるいは友達と会い、さて酒でも飲むかとなれば足を向けるのは結局、居酒屋がいちばん多いのではないか。
居酒屋といってもチェーン店などの学生や若者がバカ騒ぎする店ではない。
市井の一杯飲み屋。
できれば一店舗で経営し、古く長く、ひっそり続いている店がいい。
ここ(けやき)はそんな居酒屋だ。
カウンターは常連客の指定席であり、自分をさらけ出すコミュニティーの場所。
ふらりと立ち寄っては、肩を寄せ合うように飲んでいる。

ここは地元居酒屋の理想的な姿。
それは……。
自分の金で自分のために飲む。
一人でも入れ、一人で心休まるところでありたい。
会社も肩書きも、家庭も忘れ、ただ自分と向かい合う、気のおけない友と心を開きあう。
レストランや料理店はいくら味がよくても毎日は行かないが、居酒屋は気に入れば毎日でも、何年でも通いたい。
これが居酒屋の魅力である。
今や、客の注文水準も高くなって居酒屋もたいへんだ。
店は客を大切に、客は店を大切に。
お互い共存共栄でゆこう。
それでこその居酒屋の愉しみだ。

↑この店は貝が豊富なのもいい

↑きりりとねぎぬた、昔ながらの酒の肴がおいしい

↑〆には寿司の他、おにぎり、お茶漬け、蕎麦などなんでもござれ

↑通し営業の居酒屋は貴重。飲み歩きのスタートに如何

 

店名けやき
住所東京都江戸川区南小岩8-15-3
営業時間11:30~翌0:00
定休日

無休

連絡先03-5694-6041
関連サイトホームページ
取材日2022年

 

◆この記事を書いたひと

酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦

 

東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。

 

ブログ「日本の酒場をゆく」↓

https://ameblo.jp/m458itmasa/

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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