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Cute Movies

さよなら。いつかわかること

監督:ジェームス・C・ストラウス

(c) 2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.

監督:ジェームス・C・ストラウス
出演:ジョン・キューザック、シェラン・オキーフ
4月26日よりシネスイッチ銀座、シネマスクエアとうきゅう、渋谷シネ・アミューズ他全国ロードショー
(c) 2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved.
戦争で母親を亡くす現実~アメリカの現在と、今も起こっている悲劇~

この映画には、戦闘シーンは一切出てきません。
「母親が兵士」という新しい切り口により描かれ、「銃後(ホーム・フロント)」とという、戦争に関わっている世界中の国々に必ず存在しているにも関わらず、映像として真っ向から描かれることの少ない題材を丁寧につくりこんでいる作品です。

実際、アメリカ現役兵士の14.3%が女性、そのうち40%には子どもがいると言われ(アメリカ両院経済合同委員会報告書による)、イラク戦争におけるアメリカ軍戦死者3879名中、女性の戦死者は93名(全体の2.4%)ともいわれています(アメリカ国防省データによる)。
この本作品のように「母親が戦死」する家庭は、現実に存在するのです。

戦地に赴いた母を恋しがる長女・ハイディ12歳、次女・ドーン8歳。
そんな子ども達に、妻の訃報を伝えることができない夫スタンレー。子どもへの気遣いよりもまず、自分自身が妻の死を受け入れられず、立ち向かえない、あまりに頼りなく弱い父親像…。
今も続出しているイラクでの戦死者たち。

監督のジェームズ・C・ストラウスは直接的な表現や言葉ではなく戦争には行きたくなかった人たちが異国の空の下で死ななければならないことの無意味さを、観る人に問いかけたかったのでしょう。

主な登場人物は3人のみ。
淡々と綴られる本作品は、シンプルながらも深い感動を呼び起こします。


text by...  外京有美子

2008/04/21