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『オーストラリア』
監督：バズ・ラーマン
主演：ニコール・キッドマン（サラ）/ヒュー・ジャックマン（ドローヴァー）
(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX
愛、友情、家族、歴史。人生のすべてがここにある！
時は第二次世界大戦直前、まだオーストラリアがはるか遠くの土地だった頃。夫が経営する牧場を訪ねた勝ち気な英国貴族サラ（ニコール・キッドマン）は、自分の夫が不慮の死を遂げたことを知る。さっさと土地を引き払って英国に帰るもの、周囲はみなそう疑わなかったが、牧場を守り育ててきた人々に出会い、サラは自らその経営に乗り出すことを決意する。根っからのカウボーイ、ドローヴァー（ヒュー・ジャックマン）の助けを借りながら、大自然を相手にサラの壮大な人生の旅が始まる。
(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX
ニコール・キッドマンといえば、知的で冷静。そんなイメージが強いけれど、今回は、正義感こそ強いものの、貴族として裕福に育った世間知らずで感情先行型の女性・サラを演じています。ときにコミカルな表情も見せるその演技は新鮮で、これまで何となく近寄りがたかった印象を払拭。等身大の女性の姿を体現していて、共感できます。
一方のヒュー・ジャックマン。こちらも、どちらかといえば紳士的な役どころが多い俳優。だけれど今回は、やることなすこと、考え方も粗野なカウボーイ。人気実力派の役者が揃って、新しい境地を開拓。最初は反目し合う2人の応酬は見ていても圧巻！ そして、この2人、実はオーストラリア出身なのです！
(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX
また、忘れてはいけないのが、オーストラリアの人々・アボリジニについて。長い歴史の中では政府が迫害を行った事実があります。それらの汚点もしっかりと正面から描き、人と人。それを決して忘れないことへのメッセージが強く込められています。人智を超えたアボリジニの文化への尊敬と憧れも。
愛、友情、家族。大事なことを真っ正面から描いた久々の大作。すがすがしく、力強い勇気をもらえる時間が、ここにありました。
text by こうだ真紀
